このシリーズの最初に、「上司の仕事は、部下に、価値のある仕事を、与え続けること」と言いました。これは、長期的な視点から言ったことで、短期的な視点から言ったのが、今回の表題です。
非常に簡単な例が、「新規の100万円案件と、類型のある1000万円案件ではどちらの検討に時間を掛けるか?/どちらを先に検討するか」という前々回の話題です。新規と類型、100万円と1000万円と、二つある基準が背反しているので、万人が納得する答えはありません。
こうした背反がある時に、どうするかさっさと決めてしまうのが、上司の重要な仕事です。
まあ、この事例は会議の時間と順番なので、不謹慎を承知で言えば、コイントスで決めてもよいでしょう。
では、経営の安定を狙って短期的に固く利益を狙うか、経営の拡大を狙って長期的にリスクを織り込んで大きな利益を狙うかになるとどうでしょう?部下全員の前で、「コイントスで決める」と宣言することは、どう考えても愚かな行いです。
上司であるあなたは、部下から見て納得ができる選択/決定をしなければなりません。人を納得させる決定は、その場の思いつきでできるものではありません。組織としての物の考えから、その年の組織の方針、上司であるあなたのポリシーなど、比較的長期間変化しない上位の「考え」によって決めるのが妥当です。
(続く)
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