2011年7月22日金曜日

やがて上司になるあなたへ(11):ドラッガーとミンツバーグ

マネージメント本と言えばP.F.ドラッガーが有名ですが、私は、H.ミンツバーグの名前も挙げたいと思います。

ドラッガーの話はほとんど哲学書/思想書の趣ですが、ミンツバーグの話は事例に富んでおり相当に実務的です。

どちらかと言えば、私がミンツバーグの方を高く評価するのは、マネージメントの多様性/不定形性を正面から捉えている分だけ、「信者」を生みにくいと思うからです。マネージメントとは何かについて彼が語った言葉に、「マネージメントとは、何とか折り合いをつけて、日々を乗り切ってゆくこと」という印象的なものがあります。なるほどとは思っても、これを宗教のように信奉しようとする人はいないでしょう。

これに対して、ドラッカーの言葉は、その素晴らしさ故に、無批判の信奉を引き起こしそうな危うさを感じます。もちろん、ドラッガーの著作は、一つの企業で成功したことを普遍的なことのように語るマネージメント本とは一線を画しており、豊富な経験に支えられ、深い考察を通して得られた普遍的なものを含むんでいます。それ故の抽象的な面が、私の感じる危うさの原因となっています。

是非、この二人の著作を読んでみて下さい。

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