会議、打ち合わせ、立ち話など、組織の中では、さまざま形での議論、意見交換、コミュニケーションが行われます。
この時間は、何によって決まるでしょうか?実は、話や案件が上司がよく知っている内容かどうかで、時間の長さが決まる場合が多いのです。
上司が案件に詳しい場合に長くなり、疎い場合に短くなるのです。
上司は、案件に詳しい場合、無意識の内に、自分の能力を示す機会と捉えて、つい蘊蓄を垂れてしまいます。その結果、時間が長くなるのです。この時間は、上司であるあなたにとっては自己陶酔に浸れる至福の時間でしょうが、部下にとってはうんざりです。
逆に、疎い場合には、案件の重要性を把握することは難しいので、「よく分からない」=「価値が低い」という、これもまた無意識の論理で、話を聞き流してしまいます。内容がよく分かっている部下にとっては、苛立たしいことでしょう。
本来は逆であるべきです。あなたがよく知っている内容の案件であるなら、あなたは部下にポイントだけを短く述べるように求めるべきです。それによって、会議の時間を短くすることができます。あなたが疎い案件であれば、自分が必要な判断を下せるだけの説明を、あなたは部下に求めるべきです。
しかし、そうは言っても、人である以上、快感原則に逆らうことは容易ではありません。
また、あなたが何に詳しいかを部下が知っているとは限りません。部下があなたが何を知っているかを知らなければ、長い時間を掛けて不必要に詳しい説明資料を用意してしまうかもしれません。
こうした問題を解決する簡単な方法は、
・新規案件か、類型があった案件かのいずれか
・会議の時間を内容の外形的な価値(予算規模、関わる人数等)
から決めることです。1000万円の案件と100万円の案件があれば、1000万円の案件に時間を掛ける。新規案件と類型があった案件であれば、新規案件に時間を掛ける、という、ごくごく当たり前のやり方です。
新規の100万円案件と、類型のある1000万円案件ではどうするか?この種の背反がある場合は、どっちを先にするかを論じていること自体が無駄なので、あなたのセンスで、さっさと決めて下さい。
いずれにしましても、部下の時間、それはチーム全体の時間でもあるのですが、を有効に使う方法の一つが、自分がよく知っていることに時間を掛けないということなのです。
もちろん、「よく知っている」状態を維持するためには、普段の勉強が大切であることは言うまでもありません。
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