報告にしても、提案にしても、今時パワーポイント等を使ったプレゼンテーションをさけることはできません。
できるなら、あまり時間をかけずに作った資料で、プレゼンテーションが成功するに越した事はありません。しかし、長い時間をかけて資料を作っても、聞き手の興味を引かないプレゼンテーションになってしまうことは多いようです。
書籍やネットには、プレゼンテーションの上達のために「能に学ぶ」、「スチーブ・ジョブスに学ぶ」とかをうたい文句にしたノウハウ本が溢れ、「具体的に」という注意書きが書かれていたりします。確かにこれらのノウハウ本に書いてあることは、プレゼンテーションの形を整える上で役に立ちます。
実は、もっと単純で本質的に重要な点があると、私は思っています。それは、プレゼンテーションでは、
◆説明をするな、主張をしろ。
ということです。
プレゼンテーションの目的は、聞き手を自分の思う通りに動かすことです。予算を獲得する、自分の提案に承認を貰う、自分の評価を高くする等等、全て聞き手に変化をもたらすことが目的です。もし、予算がすでに確保されているなら、提案が承認済みなら、自分の評価が満足のゆくものなら、プレゼンテーションは必要ありません。プレゼンテーションは、足らない予算、未承認、低い評価を、あなたがひっくり返すために行うものです。
あなたの伝えたいことは、「これに予算を付けるべきだ。」、「この提案を実行に移すべきだ。」、「自分の評価を上げるべきだ。」というあなたの主張なのです。
これに気付くと、聞き手にとって、「この予算の必要性は、…」などという言葉による説明は言い訳に聞こえることが、分かると思います。話し方が具体的であったとしても、「言い訳」は言い訳に過ぎません。
あなたの主張を相手に飲み込ませるために必要なものは、何か?
それは、証拠です。
揺るぎなく、明白で、客観的な証拠です。説明ではありません。「揺るぎなく、明白で、客観的な証拠」は、「具体的な説明」ではないかという反論があるかもしれませんが、そうした反論には、「上手な説明」はあるが、「上手な証拠」はなく、あるのは「明白な証拠」であると言えば、違いを理解してもらえると思います。
非常に露骨に言えば、プレゼンテーションとは、
(主張)私は、あなたに○○をして欲しい、
(証拠)あなたが○○することの妥当性は、××の証拠から明らかだ、
と、聞き手に伝えることなのです。この本質を押さえ、聞き手に失礼にならない程度の表現ができていれば、少々武骨なでプレゼンテーションであっても、あなたの正当性は聞き手に認めてもらえるでしょう。自分の主張さえはっきりしていれば、資料を作るには、それほど時間は必要ありません。
もっとも、プレゼンテーションの準備に時間が掛かる理由の多くは、自分の主張がはっきりしていないことです。それ故、いくら守離破などのような定型のノウハウを取り入れても、一向に聞き手に響くものにならない場合が多いのです。
繰り返します。プレゼンテーションで何より大切なことは、あなたの主張なのです。
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