2023年6月17日土曜日

決めなければならいこと、決めてはいけないこと、先送りすべきこと

上司の重要な仕事のひとつが、決定を下す事とよく言われます。

しかし、なんでもかんでも決めればいい訳ではありません。決定を先送りすることが大切な場合もあります。では、何が「今決める」「後で決める」を分けるのでしょうか?

 それは、今部下の仕事が動いているかどうかです。

部下に仕事を指示すれば、部下が最後までその仕事をやると思うのは、大きな勘違いです。あなたの指示に納得して仕事を始めたとしても、仕事を進めれば部下の視野は広がり指示の内容に疑問や不安を持つようになることはよくあります。また、難しい問題が出てきて、想定以上に時間とコストがかかりそうとなることもあります。このような時に、部下の仕事がしばしば止まります。「このまま進めていいのだろうか」という心理になる訳です。
 
この時に部下を再び動かすには、部下の疑問、不安を正確に受け止めて、それらを解消する説明を与えた上で、「当初方針を維持する」「当初方針を、現在の状況に応じて変更する」のいずれか、「計画コストの範囲になるように計画と目標を見直す」「目標を維持して、計画とコストを見直す」のいずれかの決定を下す必要があります。この決定を下すまでは、部下のモチベーションは上がることはないので、「今決める」ことが大事です。
 
一方で、部下の仕事の進捗が、あなたの想定と違ってくる場合があります。「仕事は進んでいるようだが、その方向でいいのか?」と、上司のあなたが感じる場合です。
 
この時に、いきなり方向修正を部下に指示することは悪手です。
 
あなたがなすべきは、まず部下が当初目標を見据えているかを確認することです。部下は1ステップづつ小さな仕事を積み上げているので、その視野が狭くなって仕事の最終目標を見失うことはよくあります。最終目標を見失って仕事の方向がずれているなら、多くの場合方向修正が必要で、それは「今決める」ことが大事です。
 
しかし、部下が最終目標を見失っていない場合は、話は単純でありません。実務において部下の方が専門性が高いことはよくあることです。あなたが方向に疑問を持ったとしても、それが正しい見識によるものなのか、それともあなたの専門性の不足によるものなのか、意外と区別は難しいものです。こうした場合に「今決める」=自分の判断を部下に押し付けると、部下のモチベーションを大きく削ぎかねません。
 
部下が最終目標を見失っておらず、仕事に進捗がある場合は、冷静に仕事が期限内に終わるかどうかを見積もることが大事です。例えば、「へえ、そういうやり方があるんだ。期日的には大丈夫?」と部下に聞いた上で、「時間をとるから、そのやり方について教えてくれないか?」と、部下に依頼すべきです。部下の説明が全部理解できなくても、一定の妥当性があると感じれば、部下に任せるのがいい手です。方向修正は「後で決める」ことでいいのです。
 
 

2020年2月3日月曜日

Mac上で、Python3のCGIを動かす

Mac上で、Python3のCGIを動かす羽目になってしまいました。

以前にもここに書きましたが、玄人とは言えない私は、ネットの情報で随分混乱させられました。OSXのバージョンアップで、CGIが動かなくなった時より、??となることが多かったように思います。私と同レベルの人は多いと思いますので、少し整理した形で記事を書いておきます。

さて、Mac上でPythonを動かすこと自体は、Mac自体にPython2.7.xが予めインストールされているので難しくありません。Apacheのhttpd.confを修正してCGIを動かせるようにしておけば、次のようなtest.pyを所定のフォルダにおき、実行権を設定すればブラウザからtest.pyにアクセスすればちゃんと動きます。実行結果を見れば分かるように、Python2.7.xでです。
 -test.py-----------------
 #!/usr/bin/python
# -*- coding: utf-8 -*-
import cgi
import sys, os
print(\"Content-Type: text/html;\")
print(\"\")
print(\"\")
print(\"\")
print(\"\")
print(\"\")
print(\"hello world.\")
print(\"\")
print(\"\")
print(\"hello world!\")
strs=sys.path
for cmp in strs:
  print(cmp)
  print(\"-
\")
cgi.print_environ()
print(\"print(\"
\")
このPython2.7.xをPython3に切り替えるために、Python3をインストール&設定して、ターミナルで

$ python

と打って、Python3.X.Xが動作することを確認したとしても、CGIからは予めインストールされたPython2.7.xが呼ばれ、test.pyが実行されます。つまり、コマンドラインが呼ぶPythonとCGIが呼ぶPythonは違います。この辺が曖昧なネット記事が多くて、私は混乱しました。多かったのは、Python3をインストールすると動いたと言う記事でした。

状況が分かると、これらの記事はPythonのバージョンの確認をしていないのでは?と思うようになりました。

Python3をpyenvでインストールした状況での話ですが、結局状況は
  • CGIのパス(/usr/bin/)に、python2.7.10があって、それが呼び出されている
  • CGIの環境変数が /usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin だけなので、python3.6.5への絶対パス/Users/アカウント名/.pyenv/shims/python3 をCGIで叩いてもエラーになる
でした。

この解決には、
  • /Users/アカウント名/.pyenv/shims/を優先的に調べるよう変更して、PATH変数をCGIに食わせる
ことができれば良い訳で、具体的には

  • Shebang(test.pyの1行目)を #!/usr/bin/env python とすること
 で解決しました。


2020年1月28日火曜日

経団連の日本型雇用の見直しについて

経団連によれば、日本型雇用に限界が来ているらしい。そして、終身雇用(長期包括契約)から、ジョブ型雇用(ようするに短期職務契約)へと移行したいらしい。

情報系のスキルを持つ若い人はこの話に両手を挙げて賛成しているかもしれないけど、少し慎重に考えた方がいい。

まず、情報系(人工知能を含む)の技術は進歩・変化が速く、今売りのスキルも数年で陳腐化する可能性が高い。ということは、もし、情報系ジョブ型雇用で契約をした場合、最初は給与は高いかもしれないが、スキルの陳腐化に伴い給与は急速に下がり、それほどの期間を置かず(数年程度か・・・)で解雇(契約満了)になることに他ならない。

仕事をしながら自分で勉強してスキル維持をすればいいとの反論があるだろうけど、日本の雇う側からすれば高い給料を払っているのだから全力を投入しろ(自己研鑽やっている時間があれば、仕事をしろ)ということになるので、それは現実的でない。

日本で被雇用者として、スキルアップと仕事を両立させるのであれば、1年単位で、仕事→無職(スキルアップ)→仕事→無職→・・・と回してゆくしかないだろう。

ちなみに、Googleには20%ルール(業務時間の20%は、仕事以外のことをしても良い)があるので、そこでは両立は可能かもしれない。が、日本企業、特に日本型雇用にどっぷりとつかって生きてきた今の管理職が、自分の何倍もの給与をもらう一回り以上年下の契約社員に「業務時間の20%は、仕事以外のことをして良い。」と言えるとは、私には思えない。

より深刻な問題は、ジョブ型雇用に適した仕事、つまり特別に高い給与を出しても人を採りたいような仕事は、その企業にとって目新しい仕事であるという点にある。つまり、日本においては、ジョブ型雇用を使う仕事の成果を正しく評価する機能・能力が企業(特に大企業)にはないと考えた方がいいのである。大企業、歴史ある企業の評価システム、人事管理システムは、経団連の言う日本型雇用に適合している。無理やりジョブ型雇用には適合しているシステムを探せば、それは派遣社員管理システム位だろう。そして、現在の派遣社員管理システムが取り扱っているのは、原則としてその企業にとって枯れた業務、アウトソーシングして不安のない仕事である。特に、労働者派遣法、特に平成11年以降の派遣対象業務の拡大の改正によって派遣業務の専門性は失われており、それから20年を経た今、その専門性評価機能も失われている。

結局、企業経営に影響を与えるほど影響がある仕事について、終身雇用からジョブ型雇用へと移行を成功させたいのであれば、その準備として、真っ先に企業の雇用管理を抜本的に改革する必要がある。それは、企業経営者、あらゆるレベルの管理職の大半を役職解任事になるはずなのである。少なくとも、ジョブ型雇用の対象となる、つまり企業経営に影響を与える専門技術について知見のない経営者・管理職の大半は、不要となる=役職解任となるはずである。

しかし、今回の経団連の発言に、 経営者・管理職の役職解任(技術的専門性を持った経営者・管理職への置き換え)が最初のステップということが含まれている形跡がない。

であるならば、経団連企業にできることは、専門性の高い派遣社員(契約社員)に高い給与を払うということだけだろう。結果、話題となっている新しい技術分野で高い能力を持った若者は、 一時的に高い給与は得られるかもしれないが、これまで通りの評価・管理システムによってすり潰され、企業も新しい技術に支えられたビジネスに進出できないだろう。

私は、このような表面的な施策ではなく、「仕事は人がする」ことを考えて、「もっと人を大切にする」から時代のスピードにどう素早く対応するかを考えて方策を立てるべきだと思う。

今回の経団連の話は、「仕事は会社がする」と勘違いから出ているように思える。

最後に、起業間もないベンチャー企業であれば、創業者もしくはCTOが専門技術者であるだろうから、こうしたことは起きないかもしれないが、そもそもベンチャー企業においてはこの話題の前提(従来の日本型の評価・管理システムがある)が当てはまらない。

2019年3月6日水曜日

PHS停波で、H”問屋が見つからなくて困っている人へ





PHSを愛用して20年以上、2020年7月の停波を残念に思っている私です。


とは言え、停波となると、愛用のPHSの電話帳を新しい携帯/スマートフォンに移行する必要があります。

PHSの電話帳移行と言えば、Willcomが配信していた「H"問屋」というソフトが便利ですが、Willcomが変わったYmobileが配信を停止してもはや数年になるようです。これは困った!

いくつかのホームページからダウンロード一歩手前のページのアーカイブまではたどり着けても肝心のダウンロードページにはたどり着けませんでした。

しかし、適当に探しまくっていたら、「H"問屋」をダウンロードできるアーカイブにたどり着きました。↓ここです。私同様にお困りの方、是非試してみて下さい。

https://web.archive.org/web/20070527173429/http://www.willcom-inc.com:80/ja/support/download/h_tonya/download/index.html

ついでに、実績のあるPHSからiPhoneへの電話帳への移行手順も書いておきます。

  1. 専用ケーブルを使って、PHSとWindowsPCを接続
  2. H"問屋を起動して、電話帳を選び、「ファイル」→「受信」を選択する電話帳が読み込まれる
  3. csvファイルにエクスポートする(注意:csvファイルをエクセルで開いて保存すると、電話番号の最初の’0’が消える) 
  4. FAT32フォーマットのUSBメモリへcsvファイルを書き込む
  5. Mac にUSBメモリを挿し、Macの連絡帳にcsvファイルを読み込む
  6. 読み込んだ結果をvCardへ書き出す
  7. vCardを目的の端末(iPhone)へメールする
  8. 端末(iPhone)でvCardのデータを連絡帳に追加する

2019年1月19日土曜日

やがて上司になるあなた(19) 大切な概念その1

「概念」という言葉は固いので、「言葉」にしようと思ったのですが、仕事をする、仕事を理解する上で大事なことなので、ここはやはり正確に「概念」を使います。

最初に紹介するのは、「責任分界点」です。

私がこの言葉を最初に聞いたのは、日立製作所のシステムエンジニアの方からです。複数社で取り組むあるネットワークシステムの実証研究プロジェクトの打合せときのことです。全体としてどんなシステムを作るのかという目標設定について合意できたかなという時点で、その方は「責任分界点は、どこに設定しますか?」という言い方をされました。
(続く)

2018年6月10日日曜日

トランプ大統領の「北朝鮮の体制保証」に思う

東アジアの政治的な懸念の一つが、朝鮮半島情勢であり続けていることは、まあ常識だと思います。

私の朝鮮半島情勢の理解は決して深くはないのですが、トランプ大統領の体制保証発言は、朝鮮半島に二つの独立国家を認めることになるように思えます。

韓国と北朝鮮の両国とも朝鮮半島統一と発信してきた経緯の中で、このトランプ大統領の発言が、朝鮮半島情勢が平和的に「収斂」してゆくきっかけになるのか、それともこの発言が将来の朝鮮半島分断の強化、そしてやがては紛争の激化のきっかけになるのか、私には見通せません。

ただ、 トランプ大統領の言動から計る限り、トランプ大統領の発言は米国の国益を第一に考えたものであり、東アジア情勢の安定化は高々「そうなればいいな」程度のものと思えます。

であるならば、「北朝鮮が、大陸間弾道弾を放棄を確実かつ具体的に行い、核兵器については放棄したことを宣言する。」程度、北朝鮮のパワープロジェクション能力の限界線を米国本土から当面遠ざける程度で、 トランプ大統領はよしとする可能性があるように思います。

いずれにしても、朝鮮半島情勢は、すっきりと解決するような非現実的な夢にすがるのではなく、「すぐには戦争状態に落ちらない」という暫定的な状態を際どく繋いでゆくしかないと、私は感じています。

2018年6月4日月曜日

通信費の節約(2)

先日、ついに2020年7月にPHSサービスが終了することが発表されました。人から何を言われようと1990年代からPHSを愛用し続けている私としては、残念でなりまん。

我が家の通信費の節約はPHSサービスに依存していたので、新しい節約術が必要となりました。

ここまでの調査結果としては、IIJmioのファミリーシェアプラン+音声通話サービスを利用すると、家族5人の利用でも、これまでのあまり違わない通信費に抑えることができそうです。

もっとも、我が家の場合、PHS契約中のメリットを生かして機種変更してYmobaileのPHSサービス停止用契約に乗り越えるのもありです。その端末が壊れると、そのメリットはなくなるみたいですが・・・。