2011年4月16日土曜日

やがて上司になるあなたへ(3−2) 会議は一種類ではない: 議論

まず、「議論」です。議論には、暗黙の前提があります。それは、第一は、会議に参加している人全員が、「答えが欲しい。」と思っている一つの問題(=議題)があるということです。第二は、議論に参加している誰1人、その問題について答えを持っていないということです。別の言い方をすれば、自分の答えに何か欠けているものがあると、みんな感じているということです。これが、議論が成立する条件です。
当然のことですが、議論においては、情報の流れに一定の方向はありません。参加者全員で、知恵を出し合って答えを見つけるのが議論です。
それゆえ、参加者には次のようなことが求められます。議題となっている問題への理解と、一定の専門知識を持っていること。個人として意見を言うこと(意見のない参加者は、役に立っていないので、決して歓迎されません)。問題に関係のないことは言わないこと(無関係な発言は、議論を混乱させたり、時間の無駄遣いになるのでヒンシュクを買います)。問題を解くことと関係のない/役に立たない会社内の上下関係に触れないこと。
その結果、議論に分類される会議を成功させるためには、まず、話し合う問題を明確にし(ゴールの設定)た上で、参加者が平等に意見が言える雰囲気を作るように運営することが大切になります。机を使う場合は、円卓もしくは変形机がいいでしょう。私は、黒板/白板に問題を書き出して、机を使わず参加者全員で同じ方向を向いて議論する形が好みです。
上司であるあなたは、ふたつの方法をとることができます。第一は、ゴール設定をした後は、司会として議事の運営に徹する方法、第二は自分の意見を否定されることをも歓迎する、部下と同じ専門家として参加する方法です。
会議の終了は、問題が解けたときか、すくなくとも今解けないと分かったときです。

2011年4月5日火曜日

東日本大震災報道に思う

今、日本は、米国を初めとする多くの国の支援を受けていますが、それについての報道があまりに少ないのではないかと、感じています。

特に、米国、特に米軍の支援は、事実として特筆に値するものだと思います。

確かに沖縄を初めとする各地で米軍の兵士が問題行動を起こしている事実はあるにしても、私たち日本人は、今回の震災において彼らがどれ程私たち日本人のために骨を折ってくれているかを知ることは大切だと思います。

私たちがフェアであることを示すためにもです。

2011年2月13日日曜日

戦争について(1)

日本人の戦争観と、多くの国々の戦争観の間には、大きな違いがあります。

日本人にとって、戦後生まれであれば戦争は身近なものではありません。太平洋戦争を体験した人たちには戦争の記憶がありますが、一方の当事者としてのそれに限られています。

それゆえ、自分達の国の中で、他の強国同士が戦う戦争(殺し合いといった方がいいかもしれませんが)と、それに否応なしに自分達が巻き込まれ、仲間が殺されてゆく戦争に、私たちは思いを致すことはないのではないでしょうか。私もそういった視点を長じるまで持つことができませんでした。

ところが、アジア、欧州、アフリカの多くの国は、自国内で他国同士が争う戦争経験を何度も味わっています。こうした戦争経験に思いを致せば、自国を強国にしたい、少しでも自国が戦場になる可能性を下げるために軍事力を持ちたいという願いも理解できます。

一方、日本の場合、大陸の端であってかつ島国という地政的性質から考えて、このタイプの戦争に巻き込まれることはまずないので、軍事力の必要性を冷静にかつ考えることはとても困難です。そのためか、日本における軍事力の議論は、必要・不要いずれの論も極端なものが多く、戦争を避けるための現実的なものになっていないのではないでしょうか。

どうすれば、戦争を防ぐことができるか、自国が何らかの形で戦争にかかわることを防げるか、他の国々の歴史を学び多角的な視点をもって考えることが必要です。

2011年1月30日日曜日

やがて上司になるあなたへ(3) 会議は一種類ではない

会社では、たくさんの会議が開かれますが、そこにはいくつかのタイプがあることを意識することが大切です。会議を「何人かの人が集まって、言葉を交わす場」程度にしか考えていないと、仕事の効率は落ちますし、みんなにとってのストレスの種になります。

私は、会議を少なくとも7つのタイプに分けています。
  • 議論
  • 伝達(指示)
  • 報告
  • ヒアリング
  • 説明
  • 交渉
  • 相談
です。 それぞれ会議の進め方はまったく違います。これから、それを説明します。

2011年1月6日木曜日

やがて上司になるあなたへ(2) 部下に利害調整をさせてはいけない

何人かで仕事をしていれば、必ず利害対立が生じます。

俗な例を挙げれば、誰かが余計に仕事をしてくれれば楽になるので、評価が同じならできるだけ他の人に仕事をしてもらった方が得です。だから、仕事、特に面白くない仕事の押し付け合いが生じます。スポーツの人気のないポジションも同じ構造ですね。

もちろん、現実の仕事では、部下の得手不得手、予算の最適配分などが絡み合い、もっと複雑な、時には気付きにくい利害対立が日常的に発生します。

この利害対立を、「部下を集めて、みんなで話し合って、役割分担を決めること」=利害調整で解決しようとすることは、避けましょう。

部下を交えた話合いをするということは、部下の間で対立している利害をくっきりと浮かび上がらせることに他なりません。ですから、必然的に、話合いは、(本音のレベルでは)嫌な仕事の押し付け合いになってしまいます。その結果、自分たちの間に利害の対立があることを、部下は実感します。そして、それは部下達の感情的なしこりとなって、チームの士気はあっと言う間に低下します。同時に、あなたには、職場管理ができない無能な上司というレッテルが張られることでしょう。

あなたがなすべきなのは、押し付け合いになりそうな仕事に気を配り、あなたの指示で、それが小さな内に部下に公平に分け与えることです。「嫌な仕事をしろ。」という指示を出すのです。

その嫌な仕事は、必要な仕事であるはずです。あなたの指示は部下に理解されます。もし、それが必要な仕事でないなら、あなたは、あなたの責任で、その仕事をやめれば良いだけです。必要なら、嫌であっても、あなたの上司に仕事の中止を上申すべきです。それが、上司としてのあなたの大切な仕事です。あなたの上司が有能であれば、あなたの上申を業務効率化のよい提案として、評価してくれるでしょう。あなたの上司が無能であれば、・・・、黙って放ったらかしにしておくのも一手かもしれません。

2010年12月12日日曜日

やがて上司になるあなたへ(1) 上司の仕事は、部下に、価値のある仕事を、与え続けること

さまざまな場所での仕事と、その経験を通して、すばらしい上司は決して多くなく、そしてすばらしい上司は例外なくさまざまな努力をしていると感じます。

さて、このシリーズでは、悪くない上司になるためのヒント(となると、私が思っていること)を、紹介したいと思います。

まず、最初は、「上司の仕事とは?」です。

世の中にはたくさんの職種があり、必要とされる専門能力も違います。その中で、共通する上司の仕事とはなんでしょうか?

私は一言で言えば、

○部下に、価値のある仕事を、与え続けること

につきると思います。「価値のある」、「続ける」とは、決して簡単ではありません。常に、先と、周囲を見続けなければなりません。少しでも、努力を怠れば、先は見えなくなりますし、周囲からのずれも生じるでしょう。また、部下は成長してゆきます。成長し続ける彼らに、常に価値を示すには、自分の成長を止める訳にはゆきません。

さらに、その仕事に「価値のある」ことを、部下が分かるようにしなければなりません。当然、仕事のゴールは分かりやすいものでなければなりませんし、そこに到達できると信じられるようにさまざまな環境を整えることも必要になるでしょう。ゴールまでの到達度を分かるようにすることも大切でしょう。

一方で、部下に価値のある仕事を与えられなくなったときは、部下が自分を超えた(もしかすると、あなたの力が衰えたためかもしれませんが・・・)と考え、その部下を自分の上司に抱くべきでしょう。この覚悟があれば、困った上司にならなくてすむように思います。

2010年4月14日水曜日

タイ国の政争、日本の政争

日本人の死者まで出たタイ国での政争と、日本の政争、ずいぶん違うなと思います。

タイ国の場合、富裕層、低所得層それぞれに指導者が現れて、国を2分しての政争となっています。一方が空港占拠して政権をひっくり返せば、他方が今回の騒乱を起こすといった具合です。アピシット氏、タクシン氏、その政治理念の良し悪しはさておき、多くの国民を行動に駆り立てることができるほどのリーダーシップを持っていることは間違いありません。

一方、日本の場合、最近とみに、政治家のリーダーシップの無さを嘆くことが多いわけですが、タイ国の状況を見ると、リーダーシップがないことも悪いことばかりではないかもしれません。たとえば、リーダーシップが無いから国民を行動に駆り立てることもできなく、結果として騒乱が起きないとも言えそうです。

ぼんやりと総中流と誰もが感じる無階層社会から、階層化社会へと向かっている日本に、階層を代表する指導者が現れることは、意外に危険なことかもしれませんね。