恐る恐る使い始めたUberですが、今では普通のタクシーよりずっと安心で便利と感じています。良い点をざっとまとめると、多くの方も書いている通り、以下のようになります。
- 外国であっても呼びたい場所で呼ぶことができる。ホテルとかレストランでしか呼ぶことができない・難しいタクシーとはこの点がまず違います。
- 携帯端末を日本語表示で使えるので、言葉が分からなくてもドライバーに目的地を伝えることができる。
- 移動経路が事前に分かること、つまりぼったくりを恐れなくて良い。
- ネットのクレジット決済での支払いなので、価格交渉とかチップとかが不要です。目的地に着いたら、ありがとうと言って降りるだけです。
- 多くのUberの車両は清潔な高級車であることが多い。先日は、ジャガーに乗ってしまいました。運転も安全運転のドライバーの割合が高いと思います。少なくとも、客が乗車中に平然と携帯電話でおしゃべりをするようなドライバーは、米国のタクシーでは無視できない割合でいますが、Uberではほとんどいません。やはり顧客からの評価を吸い上げる仕組みがきちっと機能しているからでしょう。
- タクシーと比べてかなり安い。感覚的には、7掛けくらいでしょうか。
Uberを使ってみると、タクシーというサービスの多くの部分が情報サービスなのだということがよく分かります。ロンドンのタクシーのステイタスが高い、高かったのは当然と思います。しかし、この情報サービスの部分をコンピュータネットワークで代替できるようになった今、寂しくはあってもロンドンのタクシーの地位は低下せざるをえないだろうと思います。如何に規制をしても、使う側にとっての便利さ・安心感にこれだけの差があると如何ともしがたい・・・。
この言葉の問題をUberが解決していることは、ドライバーにとっても革新です。つまり、言葉に不自由な移民であっても簡単に個人レベルでタクシービジネスに参加できるのです。収入もUberがクレジットカードで確実に課金してくれるので、取りっぱぐれがない訳です。実際、米国でも欧州でも、それぞれの国で生まれ育った人ではないなと感じるドライバーが少なくありません。一定の教育を受け、適切な接客サービスができるのであれば、新しい国で生活を立てる最も確実な手段となり得るように思います。
このUberのビジネスモデル、課金・ルート教育などタクシービジネスの最も難しい部分をIT技術で解決したビジネスモデルは、公共交通機関の維持に悩む地方で非常に役立つのではないでしょうか?タクシー会社を運営するには商圏が小さくても、市井の人の小遣い稼ぎと移動手段に困っている人を結びつける「マイクロビジネス」としての可能性があるように思います。
もちろん、Uberが爆発的に支持を集め始めている背景には、iPad、iPhoneといったコンピュータが苦手な人でも簡単に使える携帯端末を世に出したApple社の偉大な貢献があることも知っておくべきだと思います。
最後に、Uber利用の意外な盲点を一つ。空港、より正確には立体的な道路がある場合に、利用が難しい場合があるということです。Uberのアプリが、ピックアップの場所が何階であるかを教えてくれない場合、空港での利用は難しくなります。